【保存版】飲食店の撤去費用を安くする方法|退去コスト削減の全知識

飲食店の閉店や移転を決断した際、退去にかかる費用の高さに驚くオーナーは少なくありません。
しかし、退去費用は「仕方ないコスト」と諦めてしまう前に、知っておくべきことが複数あります。
本記事では、退去費用が高額になる原因と実際に使えるコスト削減策について、順を追って解説します。
閉店・移転を検討している方は、動き出す前にぜひ確認してください。

飲食店の退去費用が高額になる最大の原因は、賃貸借契約で定められたスケルトン返し(原状回復)の義務にあります。
スケルトン返しとは、内装・設備・配管などをすべて撤去し、コンクリート打ちっぱなしの躯体のみの状態に戻す工事のことです。
改正民法621条により、店舗物件では借主負担が一般的とされています。
飲食店のスケルトン返し費用の目安は坪単価3万〜10万円程度とされていますが、重飲食業態や古い建物でアスベストが含まれる場合は15万円を超えるケースも珍しくありません。
さらに、店舗物件の賃貸借契約では、経年劣化や通常損耗も借主負担とする特約が付いているケースが多く、壁紙の変色や床の摩耗なども修繕を求められる場合があります。
加えて、商業施設内のテナントでは施設側が指定した業者のみ工事を認めるケースがあり、費用が高止まりしやすい構造になっています。

退去費用を抑えるためには、スケルトン工事を前提にした動き方から脱却し、費用を発生させない・回収に転換するという視点で選択肢を広げることが重要です。
ここで、状況に合わせて組み合わせることで、退去コストを大幅に圧縮できる可能性を高める5つの方法を解説します。

居抜き売却とは、内装や厨房設備をそのまま残した状態で次の事業者へ引き渡す方法です。
スケルトン工事が不要になるため、退去費用を大きく削減できます。
さらに、内装や設備を造作譲渡料として買主から受け取れる可能性があり、費用の削減だけでなく収入を得られるケースもあります。
ただし、居抜き売却には貸主の承諾が必要であるため、退去意思が固まった段階で早めに貸主へ相談することが成功の前提条件です。
退去直前まで営業を継続できる点も、売上機会を逃さないというオーナー目線での大きなメリットといえます。

仲介業者を通さずに買い手を自分で見つけた場合、仲介手数料の支払いが不要になるため、退去コストをさらに抑えられます。
同業者や新規出店を検討している知人・取引先への直接の声がけが、現実的な候補探しの手段として挙げられます。
ただし、個人間取引はトラブルが発生しやすいため、「造作譲渡契約は必ず書面で締結」また「貸主から事前に造作譲渡の承諾を得る」といった2点が大前提です。
買い手のあてがない場合は仲介業者の活用も並行して検討し、売却期間が長引いて空家賃が発生するリスクの回避が重要です。

原状回復工事の費用は業者によって大きく異なるため、1社だけに依頼すると相場より高額な費用を支払うリスクがあります。
複数社から見積もりを取り、工事内容と費用の内訳を比較することで、適正価格を把握して交渉を進めることが可能です。
貸主が指定業者を定めている場合でも、相見積もりの結果を根拠として費用交渉の余地が生まれることがあります。

退去時に不要になる厨房機器・什器・調理器具などは、廃棄処分にすると費用が発生しますが、買取業者に査定を依頼することで現金化できる可能性があります。
業務用冷蔵庫・製氷機・食洗機などの大型機器は査定額が高くなるケースがあり、状態が良好なものほど高値がつきやすいです。
買取に出す前に動作確認や簡単な清掃を行っておくことで、査定結果が改善される場合があります。
また、廃棄と買取の両方に対応している業者を選ぶと、値がつかなかった物品の処分もまとめて依頼できるため効率的です。

什器の搬出・清掃・軽微な廃棄物の処分など、専門技術を必要としない作業は自力で行うことで、業者への依頼費用を削減できます。
業者に依頼する工事範囲を最小限に絞ることが、退去費用全体を圧縮する効果的な手段の一つです。
ただし、電気・ガス・給排水設備の撤去や解体工事は専門資格が必要な作業であるため、有資格の業者へ依頼は法令上の義務となります。
自力でできる作業の範囲をあらかじめ業者と確認しておくと、無駄なコストを発生させずに退去準備を進められます。

飲食店の退去費用は、事前の準備と情報収集によって大幅に抑えられる可能性があります。
居抜き売却は、費用を削減するだけでなく収入に転換できるケースもあるため、退去意思が固まった段階で早めに動き出すことが重要です。
複数社への見積もり依頼や自力作業の活用といった手段は、特別なスキルがなくても実践できるため、着手しやすい方法から始めることをおすすめします。
退去コストを最小化するために、契約内容の確認と専門家への相談を並行して進めてみてください。